2002年1月30日(水)17:26

EU拡大交渉は最終局面に

10ヶ国の新規加盟の費用は400億ユーロ − 農業の直接補助金については長期の移行期間

ブリュッセル(AP)

欧州連合の10ヶ国への拡大交渉はいよいよホームストレッチにさしかかった。欧州委員会は水曜日、新規加盟国受け入れ後の農業政策および地域政策の将来計画に関する提案を発表した。あわせて欧州委員会は、2004年から2006年までの10ヶ国の加盟におよそ400億ユーロの費用が見込まれ、これは当初の計画を若干下回る、との予測を明らかにした。「いよいよ正念場を迎えた」と拡大担当のギュンター・フェアホイゲン欧州委員は述べた。

とりわけ論議を呼ぶ農業および地域政策に関する予算提案により、欧州委員会は加盟交渉が重要局面に入ったことを告げた。ロマーノ・プローディ欧州委員長は、未だ協議に入っていない農業、地域政策および財政の項目に関する提案により、EU拡大は転換点を迎えた、と述べた。

委員会提案をベースにして現加盟国は協議を行い、共通の立場を決定しておく必要がある。しかるのち、これに基づき、未解決の項目に関して加盟候補国との間で交渉が行われる。ポーランド、ハンガリー、チェコ、エストニア、ラトヴィア、リトアニア、スロヴァキア、スロヴェニア、マルタおよびキプロスとの交渉は今年末までに完了する予定である。その場合、加盟は2004年に実現することになる。

2006年までのEU予算計画を定めた1999年決定のアジェンダ2000は、拡大の予算として426億ユーロを見積もっていた。しかし当時EUは、すでに2002年には6ヶ国が加盟すると想定していた。今は10ヶ国の新規加盟が2004年に計画されている。これにより、2002年と2003年分の浮いた予算を2004年、2005年および2006年に回すことができるようになったため、10ヶ国の新規加盟がアジェンダ2000の枠内で財政的に可能となった。

フェアホイゲン委員は、この提案により加盟国の利益と加盟候補国の利益が守られることになる。候補国はEUの連帯の恩恵を受け、二級の加盟国の扱いを受けることもない。現加盟国は追加費用を心配する必要はない。交渉の余地はないのだ、と強調した。

およそ440億ユーロと、EU予算のほぼ半分を占める農業政策について、欧州委員会は加盟直後から加盟候補国の農業も援助計画に組み入れる意向である。しかし2004年は直接補助金の25パーセントしかEUから支給されない。この比率は2005年には30パーセント、2006年には35パーセントに高められる。新規加盟国に全額援助が行われるのは2013年まで待たねばならない。

ポーランドは移行期間を「受け入れ難い」と評する

フェアホイゲン委員は、この問題について加盟候補国に承諾可能な提案を行わなければ拡大交渉は行えないと現加盟国に呼びかけた。その際同委員はとりわけ、加盟候補10ヶ国中群を抜く農業人口を抱えるポーランドを挙げ、この国との交渉は「我々がある種の譲歩を示さなければ挫折する」だろうと述べた。

しかしポーランド政府は最初の反応で欧州委員会の提案を拒否した。「補助金の全額支給に10年の移行期間を設けるとの提案は受け入れ難い」とミハウ・トベル政府広報官はワルシャワで表明した。

原題:Verhandlungen ueber EU-Erweiterung gehen in die Zielgerade
Aufnahme von zehn Staaten soll 40 Milliarden Euro kosten - Lange Uebergangsfristen bei Direktzahlungen fuer Landwirte